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再試験の開示請求
 さて、実は今年度の国家III種試験は、近畿・中国地方の水害によって受験できなかった方のために、再試験があってました。再試験は、台風が直撃する沖縄などで数年前にもありました。「そのときの試験問題をくださいよ」と人事院にお願いしたところ却下されたので、ねちっこい公ゼミは「再審査請求」をしてふたたび却下されちゃいました。その理由書が来たのですが、要は「また再試験問題は使うので、公開できないよ」ってことでした。まあ、そういう理由なら仕方ないですね・・・。
 いろいろ(試験オタクには)おもしろいしっかりした説明がついてましたので、ここで情報公開しておきましょう。
 『・・・本来、採用試験は、同一の問題集を用いるなどの同一条件の下で全国一斉に実施されることを原則としているが、再実施では、本試験と異なる試験問題を用いざるを得ず、本試験と再実施を同じレベルとすることが、本試験と再実施の受験者間の公平性を確保する上で不可欠となる。
 本試験と再実施のように異なる試験問題を用いた二つの試験を同じレベルにする方法として、(i)本試験に合わせてあらかじめ作成した問題を出題し、得点差があった場合に調整を行う方法と、(ii)過去に出題して合格者の識別について実績のある問題の中から本試験と同質の問題を出題する方法の二つがある。なお、大学入試センター試験と法科大学院適性試験では、それぞれ異なる問題集により毎年2回(大学入試センター試験では、本試験と追試験)の試験が行われているが、それらを同じレベルにする方法として(i)の方法が用いられている。
 平成16年度(公ゼミ註:沖縄地区での台風襲来による)再試験においては、それまでに作成していた予備問題を使用して(i)の方法を採り、平均点に差がある試験について、受験者層の同一性を前提として二つの問題集の難易度の違いによる得点差を調節する統計的な方法(等パーセンタイル法)を適用した。元々この方法は、大学入試センター試験の選択科目間の得点調整のように数千人以上の大規模試験で開発されたものであり、受験者が多くない当該再実施のような場合に適用することが想定されていたものではないが、人事院としては、試験の公正な実施という観点から、得点差を調整する必要があると判断し、調整を行った経緯がある。
 平成18年度の経験者採用システムに加え平成19年度には中途採用者選考試験が実施されるようになり、再実施に備えて、すべての採用試験について本試験の試験問題とは別に適切な予備の問題集を継続してあらかじめ準備しておくことは、試験問題作成のマンパワーなどに限りがある中では、実務上相当難しい状態になった。また、そもそも、統計的な得点差異の調整方法(公ゼミ註:等パーセタイル法)については、平成23年度のように受験者数が100人以下のごく少数の再実施の場合には、その信頼性に問題があると考えられる。・・・(中略)・・・再実施の方法については、(ii)の方法を採ることが適切であると判断し、再実施の試験問題が本試験とできる限り同じレベルになるよう、過去に実績のある試験問題の中から、出題分野別の内容、難易度等を考慮して再実施のための問題集を編集することとしている。
 このような編集に当たっては、III種の教養試験の場合、ほとんどの出題分野において出題される試験問題は1、2題であり、本試験に加え他の高卒程度の採用試験とも内容が重複しないことが求められるため、内容や難易度等が適切で利用可能な問題を1題抽出するためには、少なくとも過去数年分の試験問題の検証が必要となる出題分野もある。また、このようにして抽出した問題については、公開されなければ将来的に再利用が可能である。
 本年度のように再実施が必要となるような地震や台風などの災害は、いつどこで発生するか予測できるものではなく、また、平成16年度のように連続して発生することも十分に考えられる。そこで、緊急時への対策として再試験がいつどのような規模で行われることになって対応できるようにするために、試験問題のストックが十分あることが重要であり、現在、再実施の問題について再利用に備えてプール化し、持ち帰りを認めず不開示としている。』

 追 ところで、某専門学校で、「公ゼミには人事院の説明会で、クレーマーみたいに質問する教員がいる」って言ってたらしいけど、質問するのはクレーマーじゃないよん。・・・で、たぶん、それは、わたくし、なくらのことですよね。公務員専門学校の専任講師として、当然、人一倍いろんなことを知ってるけど、聞かないと私もわからんから・・・。そうやって学生のために知識を蓄えてるんですぅ。



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| | 06:02 PM | comments (0) | trackback (0) |

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