この秋から政権交代して、様々な「ムダ」が見直されていることは、高校生のみなさんも知っているところだと思います。事業仕分けなんかは大々的に報道されたいましたね。スーパーコンピュータの開発をめぐって「世界で2番じゃダメなんですか?」って言ってた議員は印象的でしたね。これを見て「世界にひとつだけの花」っていう歌謡曲を思い出したのはワタシだけですか、そうですか。
その事業仕分けが始まる前、新政権は発足してすぐに群馬県の八ッ場ダム、そして熊本県の川辺川ダムの建設中止を表明しました。マニフェストに掲げてましたしね。さらに川辺川ダムについては昨年夏、熊本県知事が「計画の白紙撤回」を表明し、国交省に建設の中止を求めていました。
いずれのダムも建設計画が策定されて40年くらい経過していますが、地元では賛否がぶつかり合い、建設工事が進まずに今日に至っています。そんな膠着状態が、この1年で大きく動こうとしているのです。「建設中止」の方向に。
熊本校では、この「川辺川ダム問題」を開校当初から後期授業のテーマにしています。川辺川ダム問題は40年という月日の経過もあって、非常に複雑で深刻な問題となっています。であるが故に、これから公務員になる学生たちにとって、この問題と真正面から向き合うことには大きな意味があるはずです。たとえ答えを出せなくても。ただ合格するだけじゃなくて「自立して考える公務員の育成すること」が公ゼミの理念であります。
とうわけで毎年この時期、学生たちは川辺川ダム問題に揺れる人吉球磨地域を訪問するのです。「現場の空気に触れる」は後期授業の柱であります。
まずは相良村役場で、徳田村長の話を聞きます。村としては「反対」の立場をとっています。それから五木村役場で和田村長の話を聞きます。様々な経緯の中で「推進」の立場をとった村です。最後に、五木村の水没予定地で今もなお生活を続ける尾方茂さん宅を訪問します。
「ムダな事業はいらない」当たり前のことです。ただ川辺川ダム問題に関して言えば、40年の月日がこの「当たり前」を通じにくくしてしまった。政府は中止を表明しているので、事業中止に伴う補償問題の方に議論は移ってますが、いずれにせよ深刻な影響(場合によっては破壊)を受けてきた地域住民の生活は取り戻せないのです。
熊本校では今後もこの問題を後期授業の主要テーマとして、学生たちと「公務員とはなんぞや」を考えていきたいと思います。
下の写真は相良村・徳田村長の講演
これは五木村・和田村長の講演
尾方茂さん宅。雰囲気ある家屋です
建設予定地。絶景です。
はるか下には川辺川の清流。見てください、この透明度!
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| 11:07 AM |
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