2015,01,09, Friday
冬休みを利用して、公ゼミを訪問してくれた卒業生の皆さん、ありがとう。
さて、その中でも、最近、消防学校の救助科を出たという卒業生の話を今日は紹介しておきましょう。 消防官として採用されると、消防学校に入校してまず基本的な教育(訓練など)を受けます。これが「初任科」。一方、しばらく現場で働いた職員にたいして、より専門的な教育を施す「専科」という課程があります。たとえば、将来、救助隊に入りたいという場合は、専科の中の救助科というのを修了しておかないといけないことになっています。 まず、訓練にあたって持ってこなきゃいけないものが一覧表になっていて、「器具愛護(名倉注:道具を大事にってこと)の精神」「折れない心」「元気」って書いてあるとか。ちなみに「折れない心」は、訓練でへし折られてしまうそうです。どんぐらい過酷なのかって聞くと、 「たとえば、腕立ては4000回しますね」 「それ、話を盛ってるだろ」とわたし。 「いや、途中、腕立ての姿勢のまま休んだりしながらですけど、4000やりますね」 「!!!」 で、原則、訓練の終了時間とか、これをやったら終わるから、ってのも言われないそう。過酷災害の現場では、「○時になったら終わろう」とか「これをやったら帰ろう」とかいうのはあり得ないので、「どこまでやったら終わるんだ!」っていう状況でも折れない心をつくるってことでしょう。 なお、本人が言うには、「初任科の時には、やらされているって意識があった」けど、専科はぶっ倒れそうな・・・というかぶっ倒れる訓練を「楽しんでやってます」ってことでした。 たとえば、早く終わったら休憩していいぞって聞いたので、人一倍がんばって終わらせると 「じゃ、そこの椅子で座って待ってろ」 「えっ、あぁ、あ、これですね」 「そうだ、椅子が見えるだろ」 「はいっ、ありがとうございますっ」って、空気椅子やるとか…。なんでも、「ノリ」で訓練にしてしまうそうです。 これだけのことをしながら、救助科を修了しても救助隊に自動的に入れるわけではなく、欠員待ちとか。厳しい…。人を助けるって、本当に大変なことなんですね。 |